響け、空に―

俺は言われるがままに、笑美子の好きなところを挙げようとした。


が、出てくるのは一つだけ。

「……俺は、笑美子の全部が好きです。」


先輩はそれを聞いてにっこり笑い、

「次、私の方」


と言った。


先輩の好きなところ…

「ピアノが上手で、笑顔が素敵で、優しくて、物腰が柔らかくて……」


「うん、わかった。もういいよ。」

先輩は微笑みながら、俺を止めた。


「あなたはやっぱり、あの女の子が好きなんだよ。」


「っ!!……どうして!?」