「あれ?確か昨日の…」

先輩のピアノを弾いていた手が止まる。


「おはようございます。孝、若森孝です。」


「孝君か。

それで、どうしたの?こんなに朝早く…」


俺はもう、この時決心をしていた。


「先輩に……会いたくなったので来ました。」


「え?」

先輩は目を丸くして、俺を見る。


「一目ぼれしたんです。……付き合ってもらえませんか?」


先輩はこの言葉を聞くとクスリと笑って


「先輩をからかったら、ダメなんだよ〜」

と言った。