響け、空に―

先輩もにこやかにお辞儀をしてから

「……彼氏?」

と訪ねてきた。


「ち、違いま…」

私が言い終わる前に


「違います!!こいつと俺は同中で家が近い、ただの友達です!!」

と孝に全力で否定された。


確かに孝の言う通りの関係だけれど、


何だか……胸が痛くなった。


「そうなの?ごめんね〜!!お詫びに一曲弾くから聴いていってくれない?」


先輩はピアノの蓋を開けて、指の準備体操を始めた。