響け、空に―

「あれは偶然なの!!も〜恥ずかしい……」

恥ずかしがってる姿が可愛らしくてクスッと笑ってしまった。


突然、制服を引っ張られる。

孝だ。


「なぁ……」

最後まで聞かなくても何が言いたいのかわかった。


「あの人は日高夏実先輩。会話聞こえてたでしょ?その通りの人よ」


「ところで、あなた達は何でここに?」

先輩がピアノに座り直しながら聞いてきた。


「あ、この人が長い間学校休んでて…


だから久しぶりに校内を回りたいって言い出したので。」

孝を前に出して挨拶させた。


孝は「どうも」という感じでお辞儀をした。