響け、空に―

三年生はもう受験モード全開で、教室には自習をしている人がたくさんいた。


そこをお菓子を食べながら通るのは無神経なので、その手前の音楽室に入る。


「あら、珍しいこともあるのね。まさか二年生が来るなんて」


人の声がする。

見るとそこには笑顔でピアノの横に立っている人がいた。



この人を知らない人はこの学校にはいない。


「日高…夏実先輩」


「私のことしってるの!?音楽部にはいなかった…わよね?」


「音楽部じゃなくてもわかりますよ。

今年の文化祭のミスコンの優勝者なんですから。」