響け、空に―



急に扉が「トントン」と叩かれる。

「笑美子ちゃん?」

美咲さんだ。


「はい。」


「大丈夫?お腹でも痛いの?」


「いえ、大丈夫です。すみません、長く使っちゃって…」


「それはいいのよ。」

私はカモフラージュとして、トイレの水を流してから出た。


「…笑美子ちゃん?どうしたの?何か悲しいことでも…」


「美咲さん…孝はあとどれくらいなんですか?」


「!!」

驚いた顔をしている。


実の息子にも隠そうとしていたんだから、私にもバレない様にしていたんだろう。