響け、空に―

《何でこんなに不安になるの…?》

余程不安げな顔をしていたのだろう。

布団から顔を出した孝に「どうした?」と聞かれた。

「う、ううん!!あっ孝はいつ学校に来れるようになるの?」


「いや、わかんねぇ…」


「体、治るんでしょ…?いつ頃…なの?」


「……わかんねぇ」


「え…?」


「あっ、いやいや!!俺、医者の話し聞いてないからさ、わかんねぇよ。

お袋ならわかると思う!!」

「そっか!!」

孝の言葉は嘘だとすぐにわかった。

《もしかしたら本当に知らないんじゃ……

何にも説明されてないとか…


自分の病気がいつ治るのか…もしかしたら治らないんじゃないか?

そんな不安と、孝はたった一人で戦ってきたんだ。


なのに無理して笑って……周りを暗くしたくないからって周りに気を遣いすぎだよ…》

そう思ったら目頭が熱くなってきた。