響け、空に―

「……そんなに喉乾いてたの?」


「ん?」

飲むのを止めず、目線だけこちらに向けてきた。

そして口からペットボトルを離して、


「ああ、ここは暖房がききすぎて乾燥してるからな。」

と言った。


「ふーん。…確かに乾燥してるね。空気入れ替えよっか。」

イスから立ち上がって窓を開けようとすると

「ダメだ!!」

と孝に怒鳴られた。


私はびっくりして固まってしまう。

「あ…ごめん…。

…だって外は寒いんだろ?俺イヤだよ寒いの〜」

そう言って布団にもぐった孝の顔は、笑っているようで笑っていなかった。

私は正体不明の不安に襲われる。