響け、空に―

「見てたんだ…」


「ああ。あ〜、傑作」


「…………」

私は黙る。

あの姿を見られていたとは……


『穴があったら入りたい』とはまさにこの事なんだろうな…


「何か良いことあったのか?

例えば…皆の前で笑えた、とか。」


「……勘が良いよね。その通りだよ。」

カバンを床に置いて、近くのイスに腰をかけた。


「やっぱりな。で?どうだった?皆の反応。」


「うーん…上々ってとこかな。ただ、明日からどんな風に変わるかが不安。」


「へえ…」

孝は何だか不機嫌になった。

自分から聞いてきたくせに。