響け、空に―

改札を出てから、孝の家に一直線。

……のつもりが、ガラス張りのビルの前で私は立ち止まった。


あまりにも自分の髪がボサボサだったから。


《な…何これ!?あり得ないよ……。こんなんじゃ孝に会いに行けない…

そうだ!!コンビニのお手洗いを借りよう!!》

そして私は再び走り出し、孝の家の前を通りすぎてからちょっと行ったところにあるコンビニに入った。


店員さんに許可を取ってからお手洗いを借りた。

中にある鏡で、改めて自分を見る。


……やっぱり、この決断は正解だった。