「珍しいね…。いつも感情を表に出さない人が…。」


「そういや俺、あいつの笑った顔見たことないかも…。」


「それは多分、皆そうだろ…。」

ひそひそ話しているつもりなのだろうが、聞こえている。
私はイラッとして
「困ってるんじゃありません。皆がうるさいだけです。」
と言ってしまった。すると、ひそひそがざわざわに変わった。
「なにあの人!?成績がいいからって調子のってるんじゃないの!?」


「なになに!?何て言ったの?聞こえなかった。」


「私らがうるさいんだってさぁ〜。」


「はぁ?少し話すくらいいいじゃん!!友達がいないからって八つ当たりはやめてよね。」

いつもは大人しい子達も、この騒ぎに乗じて罵声を浴びさせてくる。


先生もさすがにこれはマズイと思ったらしく、手を叩いて皆を静かにさせた。

そして、私に帰りに教員室へ来るようにと言った。