「やっぱり俺じゃあ、考を越えられない?」
「私の中で一番大きいのは考で、好きなのも、やっぱり考だから」
「…ははっ‼じゃあ俺が敵うはず無いな」
「ごめんね」
その時の高木の顔がとても可愛くて、抱きしめたくなった。
けど、高木は考のもの。
グッと踏みとどまって、高木に「じゃあ…」と言った。
少し歩いて行くと考が走ってきているのが見えた。
考は俺の姿を見ると、足を止め…
「伸‼」
「まだ裏庭にいるよ」
「あ、ああ…サンキュ‼」
考は再び走り出し、高木の元へと向かう。
「…この二人の間に割り込めるはずが無かったんだ」
そう自分に言い聞かせて教室に戻った。
その日の夜、考から、クラスメイト全員にメールが送られた。
明日の朝八時までに全員教室にいてくれ、大事な話があるから…という内容だった。



