響け、空に―


俺が少しムッとしていたら、ある一人の女子が


「なあに二人でこそこそ話してんの~?あやしい…」

と言った。


気になっていたのは俺だけじゃなかったみたいだ。


そして孝は高木の元を離れ、クラスの奴らの輪に戻ろうとした。


その時、高木の右手が、孝に向かって伸びているのが目に入った。


《何だよ…そういうことかよ…》


クシャっと髪を握り、近くにあった机に座る。


《高木は孝のこと…。そうだよな、好きでも無い奴の見舞いに行くはずないよな。


ははっ…俺は何を一人で盛り上がってたんだろう》


そんなことを思っていると、笑い声が聞こえた。

俺はすぐに誰かわかった。


高木だ。