響け、空に―


次の日

俺が下駄箱に着くと、高木も下駄箱にいた。

話しかけようとしたが、もう上履きに履き替えていた高木はすたすたと歩み始める。


俺も急いで履き替え、高木に話しかけようとした時…


「高木さーん‼笑ってー‼」

そんな声が飛んできた。


びっくりしてしまって、高木の肩に触れそうになっていた俺の手が止まる。


他にも

「あいつ笑うと可愛いんだって…」

という声も聞こえた。


たった一日で、噂は広まりきっていたのだ。


当の本人である高木は逃げるように教室に入った。


俺もそのあとを追う。


「おっす、伸」


「おっす」

ちらりと高木の方を見ると、女子にもう囲まれていた。