「好きな人いるって…」 「うそ‼ わ、悪い。冗談だから、な? あ、ぶ、部活行かなきゃ‼じゃあな‼」 女子たちから質問を浴びせられる前に、教室から逃げ出した。 《やべぇ…言っちまった、言っちまった‼》 焦りからか、俺の足はどんどん速くなっていく。 廊下の鏡に映った俺の顔は、ひどく青ざめていた。 部活の先輩にも心配される程だ。 俺は、明日からどうやって尋問の手から逃げるか… そればかり考えていた。