「高木も孝のことが好きなんだろ?
もし、その手紙に孝の望むことが書かれているなら、それを叶えてやれよ。
それが、今の高木が孝にしてやれることだ。」
「そっか…そうだよね…」
私は空を見上げた。
そして空に向かって、にっと笑う。
「じゃあ美咲さん、帰りますね。」
「あら、もう行っちゃうの?」
「はい。実家で父と母が待ってますし…。今朝も帰ってこいってうるさかったので。
それに、美咲さんも孝と二人の方が。」
「ええ。まだちょっと話したいことがあるのよ。
ほら、早く行かなきゃ。入江君が行っちゃうわよ?」
「えっ‼あ‼じゃあ失礼します‼」
美咲さんに頭を下げてから、入江君の後を追う。



