「ああ、悪い悪い。んで、何で笑わなくなったんだ?」


「……………。

話してもいいけど、そんなに聞きたいの?」


「ああ!!すんごい聞きたい!!」


「じゃあ悲しい顔とか、なぐさめの言葉禁止ね。」


「?
…ああ。」

絶対に孝は意味がわかってない。
……この話をするのは気が引ける。


「私には昔、兄がいたの。」


「えっ!?お前兄貴がいたのかよ!?」


「黙って聞いてて!!」
私が急に怒鳴ったから、孝はビックリしたようだ。

「……。異母兄弟だったのよ。私の家って資産家でしょ?それ目当てに父には近づいてくる女がいて…。

その中の一人が妊娠したの。そうして産まれたのがお兄ちゃんだったのよ。」