響け、空に―

「ごめんな、笑美子。やっと付き合えると思ったのにこんなことになって…」


「ううん…ううん‼

わ、私だって孝が走ってきた時に止めなくて…」

涙がぽろぽろ出てくる。

孝は苦笑いして「何だよぉ、泣くなよな。」と、私の頭を撫でた。でも、涙は止まらない。


「…俺は、このまま入院なんてしない。いつも通り学校に行く。

…でもやっぱり、皆の協力も必要になるだろうから、明日皆に話すよ。そんで放課後になったら、一緒に帰ったり、寄り道してみたりしような。」


「…うん……」

孝はまだ泣きじゃくっている私の顔をじっと見ていてた。

ゆっくりと酸素マスクを取り、私の頭を引き寄せて――――――。


「へ…?へ!?」

突然の出来事に涙が止まる。


「ははっ

続きはまた今度な。」

孝が、少年のように笑った。

キスはこれが初めてだった。