響け、空に―


「孝‼なんてこと言うの‼」


「だって俺、少し走っただけでこれだぜ?体力が低下しすぎてる。

それに…どのくらいもつのか聞いといた方が覚悟…できるから。


俺の勘ではあと数日かな。お袋も、笑美子も聞いといてくれよな。」

美咲さんの目には涙がたまっていた。


医師は「本人が望むなら…」と話を始めた。


「…君の体力から考えれば、あと三日…ってところだろう。

治療をしても大して変わらない…」


「三日…?そ、そんなに短いんですか?息子は…まだ十六なんですよ?」


「お袋落ちつけよ。三日かあ…予想どおりかな。先生、三日の間はずっと病院にいなきゃだめですか?」


「いや、走ったりしなければ普通に生活してくれていて構わない。」


「そうですか…。

お袋、先生、ちょっと出ていてもらえませんか?笑美子と二人っきりで話したいんです。」


孝がそう言うと美咲さんと医師はしぶしぶ出て行った。