「ちょっ…孝!!」


「別に…いいだろ?」


「………うん…」



そのまま、どの位時間が経ったのかわからない。

急に孝の重さが増した。


「孝、重いよ?またあの時みたいに寝るつもり?」


「はぁ、はぁ、はぁ、……ごほっごほっ!!」

孝の息は苦しそうだった



「孝……!?孝!!」


孝は私の呼びかけに答えることなく、その場に倒れる。


「ちょっと孝!!」

前のような冗談ではないことがわかった。


「嘘でしょ…今救急車呼ぶから!!」

ポケットに入っていたケータイで『119』を押し、電話をかけた。


「助けてください!!救急です!!同級生が倒れて…この子は末期ガンを患ってるんです!!」



そして、保健室の先生を呼び、処置をしてもらう。


私はずっと孝の手を握っていた。

十分後、救急車が来て、孝を乗せていった。


私は、立っているのがやっとだった―――。