「あのさ、気になるって思いっきり顔に出てるよ。

しかも孝君が笑美ちゃん好きだなんてバレバレだし。」


「……笑美子は何て言ってた?」


「さあ?ただ、『もう決めた』とは言ってたよ。

…入江君に取られるよ?気持ちも伝えなくていいの?」


「………」


俺の足は動き出していた。

二人はもう、見えない。


「裏庭の方に行ってた!!」

後ろから小沼が大声で教えてくれた。


俺の足はどんどん速くなっていって、気がついたら――




走っていた。



孝side
*end*