響け、空に―



そして、長い長い全ての授業時間が終わり、あっという間に放課後になった。


「行くぞ笑美子!!」

帰り支度を済ませ、笑美子の席に行く。


「え?どこに?」

笑美子はバックを持っていて、帰ろうとしていた。


「『え?』じゃねぇよ…。

一緒に渋谷行くって約束しただろ?ほら!!」


笑美子の手を握って教室を出る。


「ちょっ…ちょっ、孝、手!!」


「手がどうした?」

わかっているけど、わざと知らない振りをした。


「手!!握ってる!!は、離してよ、暑い!!」

笑美子…今は冬だぞ?


暖かいならともかく、暑いはないだろ…


笑美子が俺の手を振りほどこうとしたので、力を込めて絶対に離さないようにする。