響け、空に―

《……おいおい!!早く断ってくれよ…!!やっと自分の気持ちに向き合ったばかりなのに……


……何もしないまま振られるのだけは嫌だ!!》


俺はとっさに教室の扉を開けて…


今に至るというわけだ。


すると伸が笑美子の耳元で何かを囁いた。


笑美子の顔が、耳がみるみるうちに赤くなっていく。


俺の方を一切見ようとしていない。


《もしかして……伸に惹かれたのか…?》

そんな悪い考えが浮かぶ。


《…ふざけんな。伸には譲らない。譲れるわけがない。


でも……どうしたら…

そうだ!!》


俺は伸が教室から出ていったのを確認してから笑美子の側に寄った。