響け、空に―

そして、教室の前に立った時、それは聞こえてきた。

「でも一番の理由は、俺が高木を好きだってことだな。」

俺の扉を開けようとする手がピタリと止まる。


《この声は…伸!!高木って笑美子のことだよな…。


今…好きって言った!?いや、俺の聞き間違いかも!!そうだ!!

伸が笑美子を好き?ないない!!》

自分にそう言い聞かせるもむなしく、伸は追い打ちをかけるようにして言った。


「好きなんだ。付き合ってくれない?」


「…え?」

今度は笑美子本人の声まで聞こえてきた。これで確定。


伸は笑美子が好きで、今は告白中。しかも笑美子は返事に詰まってる。