姫は王子の隣で


side 陽汰

「陽汰くん、向こうの部屋にある去年の体育祭の資料取ってきて!!」



「分かった!!」


5時間目。僕たちのクラスは自習だった。


瑠苑ちゃんはこの時期委員長だから、授業は出れるときだけでいいんだって。



「ハイ、これ」


「ありがと!!次はあれの製本お願いしていい?」


そう言って瑠苑ちゃんが指差したのは

無造作に散らばる紙の束。


「う、うん…」