賢太に半分引きずられるように教室に入る。 ざわざわとしていた教室が、しんと静まり返った。 「…あ…、」 一斉に向けられる、視線。視線、視線。沢山の視線。 男の、視線。 「…っ、」 思わず息を呑んだ。 足ががくがくと震える。 寒くもないのに、背中に冷たい汗が伝った。 私の腕を掴む賢太の腕を、両手でぎゅっと握る。 怖、い。 嫌だ、見ないでよ。 嫌、嫌だ。 怖い、怖い怖い怖い。