しばらくの間俺たちは、お互い何も話さずに、土手の下で流れる川を見たり、日向ぼっこをしつつ昼寝をしていた。 今洋平は、気持ち良さそうに寝ている。 楽しい夢でも見てるのか、たまに顔がにやけている。 ふと、さっき言われた言葉が頭の中に甦った。 ―何で遥は引っ越したんだ― 俺は静かに目蓋をおろすと、あの日の事を思い出していた。 中学校三年生の夏の、あの忘れられない日を。