-ぅしっ、うまくいった♪
「あっ!こらっ、またか!糞餓鬼ーっ!!!!!」
おーおー、元気なこった。
俺はハル。下の名前がないのは、友達に決めてもらったから。
俺の父親は、居ないらしい。
母親は、ちょっと精神的な病気で荒れてた。
俺は、母親から嫌われていた。名前も付けてもらってない。
毎日、言葉の暴力を受けていた。
まぁ、そんな俺も荒れているわけで、町の物を盗んでる。
理由は、荒れているだけじゃないんだが…

まぁ、細かい事は後回しだっ!長くなるからな、ウン。

「なんだ、なんだ。また、あの餓鬼か?」
『何?何の騒ぎなの?』
ったく、お前ら人間に捕まるかっちゅーの。
俺は、町のおっさんを見て舌を出した。
「な…っ」
おっさんは物凄い剣幕で追いかけてくる。
うはー★やっばいよー、こりゃぁ
「ま、追いつくのなら頑張って~」
俺に追いつけるのは野生の動物ぐらいじゃね?
なんて、よそ見をしながら走ってた。
この時、よそ見なんてしないで、まっすぐ走ってたら
あんな悲劇にはならなかったのかな?

『うるさっ…、いったいなんな…きゃっ!』
――――――ドンッ
!?
『ちょ、痛いじゃないのっ!』
『えっ!?ちょ、』
どうやら俺は、人間の少女(…っといっても歳は同じぐらいの)
にぶつかったらしい。
『あなたっ!ぶつかったんだから謝りなさいよっ』
ギャーギャーうっさいなぁ…
『ちょっと、黙れ。』
俺は、こいつから逃げられないと思ったので
少女の口に掌をかぶせ、黙ってもらった(正しくは、黙らした)
『んーっ!んーっ!んんんっ』
本当、黙れよ。
俺は、舌を小さく鳴らした。
聞こえない筈なのに、こいつは聞こえたらしく、
『ふほへんひゃふぉふぉいふふぉぉぉぉ!!!!!!!!!』(訳:ふざけんじゃないわよ)
……ご立腹デス。
こいつ、本当に女か?
「そっちだ!そっちにいったぞ!」
おっさん達は、俺を通り過ぎていった。
『ふぅ…、行ったか…』