「おーい、起きろ。帰れって。」
酔っぱらいは泣き晴らした目で俺を見てきた。
「…帰る家はありましぇん。追い出しゃれましたぁ。」
そう言えばそう言ってたっけ…。
「んじゃ、ホテルでも行けばいいだろが。」
「そんなお金ありましぇんよ〜。」
「マジかよ。」
…俺はどうすればいいんだよ。
「ねぇねぇ、あなたの名前はー?」
なんだよ、こいつ。
「名前はー?」
「…明良。」
「明良きゅんかぁ。…あたしは汐莉!」
きゅんって…。
「うーん…眠くなっちゃったぁ。おやすみ〜、明良きゅん…。」
汐莉は寝始めた。
「おい!!」
「…すぅー…。」
マジかよマジかよマジかよマジかよ…。
ここに置いて帰るわけにはいかねぇよな?
.

