「あ!筒井先輩〜!」


先輩のもとへと走り寄る。


「よっ、南。どした?」


先輩はいつものように私に笑いかける。


私もつられて微笑する。


「何でもないです。」


「なんそれ。まぁ、いいけどね。…今日も来る?」


そう言ってくれるのを待っていた。


来るとは、先輩のバンドの練習を見に来るか、と言うことだ。


そんなの答えは始めから決まってる。


「行きますっ!」


「んじゃ、勝手口から入って来いよ。待ってるから。」


「はーい。」


調子良く返事をした。

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