彼に抱き締められて、狭い車内で二人。


彼の首筋は…いつもとちがうお風呂上がりの優しい香りがする。

私の知らない生活の匂い。

祐治を帰したくない。

このまま…二人で消えてしまいたい。

祐治…。愛してる。

私だけの祐治だったら…。
乱れた私の服を、祐治が優しく整えてくれる。その手が…優しくて、優しすぎて。

私の為に無理して出てきてくれた…。

帰ろうって…彼が言うのが怖くて、ついまたキスをして唇を塞いでしまう。


でも…彼を帰さなくては。

『…祐治、送って…』

堪えきれなくて泣きじゃくりながら耳元で囁いた。

見慣れない彼の普段着も、石鹸の柔らかい香も、私には辛い…辛いよ。


『理沙…愛してる』

もう一度、深い深いキスをした。