グループに別れて電話機の説明が始まった。


謙吾が説明するグループに混じって、後ろの方から聞いていた。


謙吾。かっこいい。


謙吾と目が合った。笑っちゃった。


一瞬謙吾が私の背後に目をやったのが気になって、後ろを振り返ったら祐治が立ってた。


『ちょっと来て』


え?謙吾が見てる…。


『早く。』


課長が呼ぶのに行かない訳には行かなくて、祐治について行った。会議室を出てエレベーターホールで立ち止まった。


『俺の所へ戻ってこい。』

え?今…なんて…。


『理沙が普通に幸せになれないのは俺のせいだ。俺がお前を好きになったから。…お前が結婚した時、幸せになってくれると思ってたのに…』


『あなたしか愛せなくなってたのに…結婚なんて上手く行くはずがなかった…だから…』



あなたは一度は私を受け入れた…なのに。