不意に後ろから車が近づき、脇に避けた…車が目に入った瞬間、心臓が止まるかと…思った

『理沙!』

逢いたかった人の声を…今聞いた。胸に響いたその声は。懐かしい声は…。


『祐治…』

降りてきた彼は私を強く抱き締めた。

『黙って居なくなるなんて。理沙。逢いたかった…顔…よく見せてくれ…』


こんな…こんな祐治は初めてみた。涙をためた目で私を見つめている…

懐かしい柔らかい唇が…私に触れた。かわらない…祐治のキスに身体が震えた。

髪を撫でて何度もキスしてくれた。

『祐治…痩せちゃった?』『理沙はふっくらしたな』

手を引いて私を助手席へ乗せた。

懐かしいタバコの香り。

『祐治…ごめんね…。』

いつまでも私を抱き締める祐治に、唇を重ねた。
舌をゆっくりと絡ませて…胸が痛いほどにドキドキした。

私の携帯がなって…そっと唇を離した。

『お母さん…ん。ん。わかった。買ってくるね。少し祐吾見てて。ん。帰ったら話すね』


『理沙…ユウゴって?』

彼の手の平に書いて見せた
『祐吾よ…。私の子よ。』