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祐吾が6ヶ月になって、私は実家に戻った。

仕事も探して、祐吾を育てる環境を整えるまでは両親に迷惑かけるけど。


久しぶりに戻った家は、私が出た時のそのまま。赤ちゃんがいるだけで、家の香りや音がどんどん変わっていく。

忙しい毎日に、ふと、仕事しながら育てられるかなと不安になったりもする。


母はここで育てなさいって言ってくれるけど。
祐吾の為にも情けない甘えた親にはなりたくない。


『理沙、それは違うわよ。あなたが無理をすることがいい母親ってことにはならないわ。祐吾を危険にさらすこともあるのよ…』


おむつが無くなって、夜買い物に出た私は、母の言葉を痛感した。こんな時でさえ、小さな祐吾を置いてはいけず、つれまわさなくてはならない。抱っこして荷物を持って。


母がいるから財布一つ握って一人歩いて…こんなことにも今更気付いて…大変だ、なんて言ってる私は情けない母親ね。