いつかどこかで…

ふと携帯を開いたら、もう新しい謙吾からの着信はなかった。


ちょっと、うとうとしていたら、彼の声に呼ばれた。

『理沙…朝食だよ…。』


身体を起こして浴衣を整えた。


襖をあけたら、いいにおい…。なんて豪華な朝食なんだろ。


彼と並んで座って…気付いた。

『あれ?』


配膳が向かい合わせじゃなくて、隣に。


『理沙は、このほうがいいだろ?』


『うん…』

嬉しかった。

『いただきます…』
『いただきます』


彼の顔を見ながら…彼が食べるものを真似して食べる。

彼が、海苔の袋を手の平でパンっと叩いたから、それも真似した。


『これ…やるよ』

シャケ。

『嫌いなの?シャケ』

『嫌いじゃないよ…なんか…色がな…』


色…。あは。子供みたい。

『じゃ、私が食べちゃう。お腹減ったんだ〜』


『ああ。朝から…ずいぶんと激しかったから。な?』

ちょっと顔が赤くなる。

後から言われたら恥ずかしい。