いつかどこかで…

早朝の ピンと張り詰めた空気に頬が冷たくなり…ふと目が覚めた。


初めて見た彼の寝顔。

愛しい人の寝顔がここにある。

見つめて…彼にぴったりと寄り添った。


初めて朝を迎えた。
彼と二人の朝を。


最初で最後かもしれないし、また過ごせる時が来るかもしれないし。


このまま、時間が止まってくれたら。


独り占め出来たら。

どんなに幸せだろ。


そっと彼の唇に指を当てた。

『ん………』

目を覚ました彼が私を抱き締めた。なんて心地いい…

私のおでこに唇を当てて…

『夕べ言い忘れたよ。この部屋、岩風呂ついてるぞ…入ろうか…』


『うわあ…入ろうよ…』


湯気で真っ白な浴室は、かなり立派な岩風呂で、窓からは海が見えている。


薄暗い外の景色に…遠くに漁船が見えて…岩肌にまるで墨絵のような松の木。


二人でじわっと肌にしみてくるような熱さを堪えながら岩風呂に身体を沈めた。


『う〜ん。きもちいい…』

窓の景色を眺めていた私を後ろから抱き締めた。


『祐治と初めてお風呂に入ったね…』


肩までの髪をちょこっと結んで…その首筋に彼が唇を押し付けた。


背中から抱きしめられて、二人で曇った窓を拭いて、外を眺めた。


頬を寄せあって。

先のことなんかわからなくていい。

今、今だけは彼は私だけの祐治。私も祐治のもの…。

熱いお湯につかり…二人で身体を寄せ合って、見つめ合ってキスをした。