「…着いた」


「?…ここは…どこですか?」


「…疲れてない?あんなに走って」


「いえ、全然」


成績がいいっていうのは五教科だけじゃない。体育だっていい成績がとれないと悔しい思いをした。


「ここからどうすれば…」


「シーッ…」


人差し指を口の前にたてると、ドアを開けた。
見た感じ、どこかの裏口…かな?


「おはようございます」


「柏凪君…さがしてたんだよ?一体どこに…」


「ああ、すみません。それよりこの子、遅れたみたいなんです」


頭に手をポンッと置かれる。


「遅刻か?」


「はい。そんなところでしょうか。なかに入れてやってくれませんか?」


「そ、そういわれても…」


「いいじゃないですか。始業式ですし、最初くらい大目にみるということで」


「…柏凪君がそこまでいうのなら仕方ないな…そこの一年、感謝するんだよ」


「え?あ、はい…」


すごい。あっさり入れた。この人何者?


「ありがとうございます…えーっと…か…」


「かしなぎ。」


「ああ…柏凪さん」


私は先生に席を教えてもらい、遅れながらもそこに座った。