突然私のケータイが鳴り出した。



「あっ!!電話だ。
ちょっとごめんね。」



開いて見るとディスプレイにはお姉ちゃんと表示されていた。私は何だろう…と思いつつも通話ボタンを押した。



「もしもしお姉ちゃん?
どうしたの?」



『あんたねぇ…どうしたの?じゃないでしょ!!!
今何時だと思ってるの…?』



「え…?」



私は時計を見てあぜんとしてしまった。なんとすでに7時半を過ぎている。



「ごめん!!
今出るね…!!」



私は電話を切った。



「準…私もう帰るね?」



「うん。」



私は荷物を持って玄関を出ようとした。その時だった。



「待って!!」



準が珍しく声を大きくしている。私は驚いて後ろを振り返った。



気付くと私の唇と準の唇が重なっていた。



軽い…。



ただ唇と唇が触れるだけのキス──…。



心臓の音がさらに大きくなった。



準の唇が離れた。
「またね。」



私はお礼を言い部屋を出た。