広い廊下を歩いていると、ベテランな侍女が名乗った。

「私はテナーと申します。これからよろしくお願いいたします」

リシェナも深々と頭を下げた。

テナーは吹き出した。

「私共にそんな頭を下げなくて良いのですよ!」
リシェナもちょっと恥ずかしそうに笑った。

「私は貧しい家柄だったので、こんなによくしていただけるなんて…」