もうすぐ、ルートスが迎えに来るわ。 いやだ。本当に吐き気がする。 あんな人と結婚するぐらいだったら、今ここで死のうかな。 リシェナはぼんやりとそんなことを考えながら、教会の外にあるベンチに座っていた。 金髪の髪を後ろで結わえ、黒縁のメガネをかけたリシェナはまたため息をついた。 まだ早朝なので、子供たちもいない。 リシェナはマルスおじさんにも見送りを頼まなかった。 別れが辛すぎたのだ。