屋敷の主


「ルートス、そろそろ行かなくていいのか?あの港町はここからかなりあるぞ」

議員の息子の一人がルートスに言った。

ジェイスはその名前に足が止まった。

ルートス…?
あの要注意議員の息子か?
地方で税を高くし、農民を苦しめているという議員の息子の名前は…たしかルートス…


「おお!そうだな、あんな田舎二度と行きたくねぇよ。汚ねぇ教会しかないんだよ」

ルートスがその場を離れようとしたが、いきなりバラの庭園からジェイスが歩み寄ってきた。