あの女共の中から、嫁なんか選べない。
ジェイスは深くため息をつく。今日開かれた誕生パーティーには、ジェイスの両親のそんな思惑があることをジェイスは口にはしないが悟っていた。そのイライラからか、いつも以上に飲酒してしまった。
ジェイスが少し酔いがちに庭園を歩くと、数人の男の声が聞こえた。
一度聞いた声・顔・名前は忘れないジェイスは即座に誰なのか分かった。
地方議員の息子たちだ。
自分の前では丁寧な口調だったのに、友達の前ではこんなにひどいものか。
ジェイスは嘲笑してしまった。
「明日からあいつは俺だけの玩具だ。いいだろ、お前ら」
