屋敷の主


「こんな場所に隠れてたとはなぁ。また、隠れんぼしたいのか?」

いじめをうけていた日々が、リシェナの頭をよぎった。

隠れんぼ。

リシェナを見つけたら、必ず何かでリシェナの頭を叩くこと。

リシェナは眩暈でクラクラしてきた。しかし、今は昔とは違う。

「久しぶりね、ルートス。私は忙しいの。もう会うこともないわ、さよなら」

リシェナは背を向け、中に戻ろうとした。