屋敷の主


「よお、久しぶり」

スラリと伸びた手足。

整った顔立ち。きっと、世の女性たちは素敵だと言うだろう。

しかし、瞳だけは陰険そうな光を宿している。

8年前と何も変わらない。
その青年は、リシェナをジロジロ見ている。

リシェナは、驚きのあまり名前を口にしてしまった。

「ルートス…」

ルートスのニヤッとした表情を見た後、リシェナは死ぬほど後悔した。