あっという間に最後の写真。


「LIR可愛いよ〜!」亮さんは口が上手だから私は自然と笑顔になる。


「こんなに可愛いと中学の時モテたんじゃない?」


「え……」自分の顔から笑顔が消えたのがわかった。


「LIR、どうした?笑って〜」


笑えない。動けない。


慌てて河東さんが休憩をとってくれた。



「LIR…まだ中学時代のことを思い出すとフリーズしちゃうの?」

私は黙って頷いた。


「そっか…。……忘れろとは言わないわ。けど仕事中くらい…」


「わかってる…!大丈夫、少し休めば笑えるから。」

「そう…。じゃあ橘さんにそう伝えるわよ?」


河東さんが離れたあと、私はずっと床を見ていた。



思い出したくない…嫌だ、嫌だ…。

あんな思いをするなら、まだいじめられた方がまし…。



その後の撮影は亮さんが配慮してくれたのか、クールな表情を求められた。



こんなんじゃ…まだまだプロじゃない。

何とかして中学時代のことは忘れなくちゃ…。