秘密なこと

「うん…」


「木下さんは中山君のことが好きで、疑うなんてできなかった。だから自然と怒りが私に向くの。


……この件は、私も木下さんも被害者なんだよ。」


「ちょっと待ってよ…」

苦しそうに笑う木下さんが床に力無く座り込む。


「何なの?さっきから別れるだの何だの…

健吾は…私と別れたかったの…?」


「明里…ごめん」


「何…?ごめんって何?杉田にたぶらかされたんじゃないの…!?」


「違う!!俺が勝手に…杉田さんに惹かれたんだ。たぶらかされたとか…そんなことは無い。」