秘密なこと

メイクや着替えが終わると、すぐに撮影が開始された。


今までに撮った写真を見ながら亮さんは

「うーん…微妙…」

とうなった。


「微妙…ですか…」


「うーん…

よしっ!!じゃあLIR座れ!!」


そう言って、私を座らせた。

そして、亮さんの手が伸びてきて、私の頬に触れる。

「ひゃっ!!」


「LIR、動くな。お前に好きな奴がいるなら、俺の手をそいつの手だと思え。

いないなら、俺を男だと意識しろ。」



好きな人…?

雅也………。


私は頬に触れている亮さんの手に自分の手を重ねてカメラを見る。

《これは…雅也の手。》