「………」

亮さんが出ていった後も私は動けなかった。


何で…何で…亮さんにドキドキするの?


「告白されたから?」

―――違うでしょ。


頭の中で誰かの声が響く。

誰か…じゃない。私の声だ。


「私が好きなのは…雅也。」


―――本当に?本当に雅也なの?
私は好きな人が亮さんか雅也かわからない時があった。


もしも、雅也じゃなくて本当は亮さんが好きなんだとしたら…


「やめて…やめて!!」

耳をふさいだ。


この声は私が心の奥底で考えてしまっていることを言ってるんだ。

本当は考えたくない…!!そんなこと…!!


けど…

「亮さん…」

ドキン!!


名前を呟くだけで跳ねる、この心臓は何なの…!?



私は、雅也にあの空の写真を送ることができなかった。