「彼氏に…名前で呼ばれたいので…」


「えっ彼氏いるの!?」


「い、いませんよ!!誰かと付き合うことになったら、名前で呼ばれたいってだけです!!」


そう、『誰か』…

できれば雅也がいいな…


「そっか…じゃあ彼氏になったら名前で呼んでいいんだ?」


「へ…?」

亮さんの思わぬ返答に私は間抜けに口をポカーンと開けるだけだった。


「だってそういうことだろ?」

《ま、まぁそうなんですけど…》

私が返事につまっていると後ろから


「……杉田…」

と声がした。