「お前馬鹿?返してって言われたら返したくなくなるもんだろ?」


プールを間にいれて高橋君は私と向き合った。


「お願いだから…返してよ…。」


「よっぽど大事なんだなぁ…。じゃあ…拝見…といきますか。」

「やめてよ!」私は急いで高橋君の元へと走る。


けれど彼はもうスケジュール帳を開いていて…。


「は…?」


―――そう呟いていた。



バッと奪い返す。


「お前…何だよそれ…。」

「いや、えっと…」


「何だよ…撮影とかインタビューとか…」


「違くて…あの…」


「何が違うんだよ!?」

私は無意識に後ろに下がる。


そして……

ズルッ!!


「へ…!?」

「あ…」



私は後ろからプールに入る形になった。


《スケジュール帳が濡れちゃう!》
私は慌ててスケジュール帳をプールサイドに投げた。


ドボーン!